どこまでの介護が必要かの判断も重要

ストーマを造設している高齢者の介護をする場合、どういった介護が必要なのか適切に判断することが欠かせません。中にはストーマケアは自身で行いたいという高齢者もいますし、ストーマを造設していること自体を公にしたくない高齢者もいます。ストーマケアは生きている限りずっと必要なものです。そのため、しっかりとした管理が出来ないと、生活の質が落ちてしまうことはもちろん、新たな不調を生み出すことになりかねないので注意が必要と言えます。介護の際は、見守る段階なのか手を貸す段階なのか、高齢者の意見を尊重しつつどういった助けが必要なのかをしっかりと把握することが大切です。

尚、ストーマケアを考える上で考慮しておかなくてはいけないのが認知症の発症についてです。認知症が軽度な場合には高齢者自身がストーマケアを行うことも可能かもしれませんが、重度になってしまうと何故ストーマケアが必要なのかといったことも分からなくなることがあります。また、認知症の場合には、昨日までは問題なく出来ていたことが急に出来なくなってしまうといったことも少なくありません。

介護士が高齢者に代わりストーマケアを行った方が早い場合、何でも手を貸してしまいそうになりますが、出来る部分は本人にさせることも大切なため注意が必要です。適切な対応を見極めるためにも、高齢者の様子に気を配り、いち早く変化に気付くようにしましょう。認知症の発症の有無や程度はもちろん、高齢者の性格や環境も考慮した上で、どこまでの介護が必要なのか慎重に判断することが欠かせません。